関節の「ぽきぽき音」は何の音?
骨格矯正施術を行っているときに、関節が「ぽきっ」と音がすることがあります。
初めて施術を受けてその音に驚き、骨同士がこすれて折れたり、傷ついたりしたのではないか
と心配される方が少なからずいらっしゃいます。
また、施術に慣れている方の中にも、施術の度に何度もぽきぽき鳴るのは体に良くないのではないか、
と心配される方や、逆に、ぽきぽきならないとうまく調整できていないのではないか、
と心配される方もいらっしゃいます。
でも、心配はいりません。
音の鳴るしくみがわかれば納得して施術を受けて頂けると思います。
では、この「ぽきぽき音」はなぜ起きるのでしょうか。
この音は昔からの謎で、いくつかの仮説が唱えられましたが、つい最近まで誰もはっきりと説明が
できませんでした。
原因を突き止めたのは、カナダのアルバータ大学のグレッグ・カウチャック博士の研究グループでした。
カウチャック博士たちは、手の指を特殊な機械で引っ張りながらMRIで撮影を行い、
ぽきっと鳴った瞬間を映像として記録しました。
そこで明らかになったのは、関節が急激に引き離されると関節を包む滑液の圧力が下がって、
滑液の中に溶け込んでいた気体(二酸化炭素あるいは窒素ガス)の気泡が生じ、空洞ができる
という事実。
そして、その下がった圧力を元に戻そうと周囲の滑液が一気にその空洞に流れ込んで気泡が弾け、
ぽきっという音が生じる、ということが分かりました。
つまり、骨がぶつかって鳴っているように聞こえる大きな音は、関節に溶け込んでいた気体が
弾ける音だったのです。
一度気泡が弾けて音が鳴ると、再び鳴るまでには20分くらいの時間がかかるということもわかりました。
音が鳴るメカニズムは分かりましたが、ではこの「ぽきぽき音」は関節にどのような影響を
及ぼすのでしょうか。
それを自らの体で実験したユニークな人がいました。
アメリカのドナルド・L・アンガー氏は60年以上にわたり、自分の左手の指関節を熱心に
鳴らし続ける一方で右手は鳴らさずにいて、指の関節炎の原因を研究し、指を鳴らすことと
関節炎は無関係である、ということを示した功績に対して、イグノーベル医学賞を2009年に受賞しています。
つまり、「ぽきぽき音」は関節に悪影響を及ぼすものではない、ということを身をもって証明した訳です。
当院の施術では、骨盤調整をはじめ全身の骨格矯正を行い、骨や関節を正常な位置に調整することで
自然治癒力を高め、体に現れた不調を改善することを目的としています。
結果として、痛みを伴わない「ぽきぽき音」が発生することがありますが、
「ぽきぽき音」を鳴らすことが施術の目的ではありませんし、「ぽきぽき音」が鳴らないからといって、
うまく調整できていないということでもありません。
ですので、骨盤調整技術を信頼してリラックスし、安心して施術をお受けください。